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伊勢物語

昔たかきこと申女御おはしましけり、うせ給ひて七々日の御わざ安祥寺にてしけり、右大将藤原のつねゆきといふ人いまそかりけり、其御わざにまうで給ひて、かへさに山しなのぜんじのみこ(○○○○○○)おはします、その山科の宮に、〈◯中略〉まうで給ひて、〈◯下略〉
 ◯按ずるに、ぜんじのみことは、仁明天皇の皇子人康親王なり、