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栄花物語
三十鶴の林
万寿四年十二月四日うせさせ給て、〈◯藤原道長〉ついたち七日の夜御葬送、御年六十二にならせ給けり、〈◯中略〉とのばらみな皇太后宮の御うすにほひにておはしまし、みやづかさなどこまやかなりつるに、くろつるばみにならせ給、世中の十が九はみなにぶみわたりたり、いはば諒闇ともいひつべし、おほやけよりも諒闇せよといふ宣旨くだりたればなりけり(○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○)、