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勧修寺縁起
ありしひと夜のちぎりにいでき給へりし女ぎみは、宇多院の位におはしましける時に入内ありて、皇太后宮胤子と申、皇子いでき給にければ、高藤の公は朝家に又なき権臣にて、内大臣になり給ひにけり、皇子践祚ありて延喜の聖の御門とぞ申なる、我朝の賢王におはします、帝祖になり給にければ、うせ給てのちは、太政大臣正一位お贈せらる、