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愚管抄

内大臣にて伊周もと内覧の宣旨かうぶりたる人にて在けるに、大納言にて御堂〈◯藤原道長〉はおはしけるは、道兼道隆の弟也、この伯父の大納言その器量抜群にして世の人もゆるしたりけり、我身もこの時伊周執政の臣たらば、世は乱れうせなんず、わが身お摂籙の臣におかれなば世はおだしかるべしとさい〳〵と仰られけり、