神皇正統記

朱雀

天皇諱は寛明、醍醐十一の子、御母皇太后藤原の穏子、関白太政大臣基経の女なり、〈〇中略〉外舅左大臣忠平〈昭宣公（基経）の二男、後に貞信公といふ、〉摂政せらる、〈〇中略〉この御時平将門といふ者あり、上総介高望が孫なり、〈〇中略〉執政の家に仕奉りけるが、使の宣旨おのぞみ申けり、不許なるによりて憤おなし、東国に下向して、叛逆おおこしてけり、〈〇中略〉藤原の純友といふもの、かの将門に同意して、西国にて叛乱せしおば、少将小野好古お遣はして追討せらる、