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大鏡
三左大臣師尹
この大臣は、忠平の大臣の五郎、小一条大臣と聞えさすめり、〈〇中略〉康保四年十二月に左大臣にうつり給ふ事、西宮の筑紫へ下り給ふ御かはりなり、〈〇中略〉その御事のみだれは、この小一条の大臣のいひいで給へるとぞ世の人聞えし、さてその年も過さず、うせ給ふなどこそ申すめりしか、それもまことにや、