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神皇正統記
後一条
天暦〈〇村上〉の御時、元方の民部卿のむすめの御息所〈〇祐姫〉の、一のみこ広平親王おうみ奉る、九条殿〈〇藤原師輔〉の女御〈〇安子〉まいりたまひて、第二の皇子〈冷泉にまします〉いできたまひしころより悪霊になりて、このみこも邪気になやまされましき、花山院俄に世おのがれ、三条院の御目のくらく、此東宮〈〇小一条院敦明、〉のかく身づからしりぞき給ひぬるも、怨霊のゆえなりとぞ、