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雲根志
前編三
落星石 江州野洲郡橘村杉田氏説に雲、元文年中の比、当村の百姓、夏日我後園に出てすヾみ居る、天にくもりもなく、風もなくして、空中に声あり、目前に一石おおとす、取上て是お見るに、掌の大さにして甚だかたく、重くして金色文理あり、夢渓筆談に、大星一震而堕地中得一円石といふの類ならんか、