[p.0010][p.0011]
遊芸園随筆
六月〈◯天保七年〉十九日夜、一頻雨ふりたりしは深夜如夢に覚たり、同廿日退出より、新家栄之助、飯田町もちの木坂へ転宅の賀として参りしに、昨夜か暁かはしらず、毛ふりたりとて、拾得たるもの数根おみする、長さ五六寸より六七寸にて、白くして黄お帯たり、夫より帰り懸、牛込北おかち丁へ参り候間、みちすがら家来に為拾候に、又数根お得たり、