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倭訓栞
前編二十五比
ひ 日おいふは、明らかにましますお、自然にかくいひ初めし語なり、日出の大さ富士山の如く、寅時より深紅なるは、土佐南海の眺望、志州鳥羽の漂船の視し所も、同じ大きく見ゆるは、地水の陰気お含める故なり、出る時は遠し、地より十七万里、日中は近し、地より十五万六千五百里なりといへり、