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万宝鄙事記
六占天気
日 雨と晴とおしるには、先暁の天気と日の出る時おうかヾふべし、日の出るとき赤きは風、黒きは雨、青白きは風雨としるべし、又日の出るときはれて、やがて陰りて晴ざるは風雨となる、連日の陰雨の後、日出て早く晴るはかへつて雨ふる、朝曇りてやう〳〵おそく晴るは晴、さて又明日の日和は、今晩の日の没とき見るべし、日没に照ば晴る、雲の中に日入ば、夜半の後にあめ、あるひは明日かならず雨ふる、日入て後、やうやく紅粉のごとくにして、やがて色かはるは風もしくは雨ふる、日の入とき雲あかけれ共、其色かはらず、漸うすくなりてきゆるはよし、黒雲日の入につヾくは明日天気よからず、西に黒雲あれども、日のいる時雲なく日のかたち見えて、日雲外に入れば雲はれて明日も晴る、日のいろ黄なるは風〈◯中略〉 赤き雲気日の上下に有時は、大風いさごおあぐ、但し色変ぜずして、やうやくうすくなるときは、晴て又風もふかず、白気日月の上下にひろくしくは、三日の内に悪風雨有、