瀬田問答

一来午年〈◯天明六年〉元日日蝕なりと承候、公にて御礼御座候哉いかヾ、答、来午正月元日日蝕皆既、午の一刻西の方よりかけ初め、午六刻甚しく、未の一刻南の方に終る、如斯に候へば、御礼明七つ時より初り、蝕已前退散の事と存候、正月元日日蝕の例　元禄五壬申年、未申の時、食七分半、同十四辛巳年、卯辰の時、食八分半、享保四己亥年、酉の時、食二分、明和四丁亥年、未の八刻より申の刻迄、如斯に候、右の内、元禄十四年の蝕、御礼刻限に候、其節も食終りて辰の中刻より御表へ出御、右の外は皆御礼の刻限の外なり、右の趣お以相考へ候へば、食の内は迚も出御は無之、来春も食以前御礼相済候積、未明より御礼始り候と被存候、