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十六夜日記
身おえうなきものになしはてヽ、ゆくりもなくいざよふ月にさそはれいでなんとぞおもひなりぬる、〈◯中略〉ゆくりなくあくがれ出しいざよひの月やおくれぬかたみなるべき、都お出しことは、神無月十六日なりしかば、いざよふ月おおぼしめしわすれざりけるにやと、いとやさしくあはれにて、たヾ此返事ばかりおぞ又きこゆる、