[p.0073]
土左日記
八日、さはることありてなお同じ所なり、こよひ月は海にぞいる、これお見て業平のきみの、山のはにげて入ずもあらなんといふうたなんおもほゆる、もし海べにてよまヽしかば、なみたちさへていれずもあらなんとよみてましや、今此歌おおもひいでヽ、或人のよめりける、
てる月の流るヽ見れば天の川出る湊は海にざりける、とや、