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筆のすさび

一月お見る説 友人橋本吉兵衛、名は祥、来り語る、人の月見るに、人によりて大小あり、おのれは径二三寸のまろき物と見しが、人によりて径六七尺にも見ゆるあり、六寸許に見ゆるは、尋常の人の目なり、されば所謂ぬか星などは、おのれが目には見えざるべしといふ、人々皆試みし事にや、予〈◯菅茶山〉ははじめてきヽぬ、