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万宝鄙事記
六占天気
月 月の出入の時、よく見て風雨お知るべし、 月にかさあるは風、かならずかさのかけたる方より来る、 前月大なれば二日に月みゆ、前月小なれば三日に月見ゆ、大二小三といふ、 二日三日まで月見えざれば、その月風雨しげし、新月下にそりてかけたる弓のごとくに上にたまりなきは、其月雨すくなく風多し、あおのきて上にたまりあるは、其月雨多し、新月の下に黒雲横るは明日雨、 月はじめて生じ、かたち小にしてはヾ大なるは、水のわざはひあり、かたち大にしてはヾ小なるは、三日のうちに雨ふる、 白気月おつらぬくは、夏は大水、秋は風吹、黒気月おつらぬくは、夏は大水出、春秋も水、又は陰、 月のそばに黒雲おこるは大水 月の上下黄雲くらく覆は大風 日の色しろく、夜る月の色あかきは旱せんとする兆しなり、日の色あかく、夜る月の色白きは雨のきざし也、又日の色あおく、夜る月の色青きは寒の兆なり、 ◯