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星は、ほしと雲ふ、星の位置に拠て二十八宿に分てり、牽牛星、織女星の牛宿の度分にあるが如し、而して各星皆所属の星あり、歳星〈木〉熒惑星〈火〉鎮星〈土〉太白星〈金〉辰星〈水〉お五星とす、金星の旦に見はるヽお明星(あかぼし)と雲ひ、昏に見はるヽお長庚(ゆふづヽ)と雲へり、彗星ははヽきぼしと雲ふ、形状箒の如くして蒙気あり、常に見はれず、時お以て現出すれば凶兆と為す、又流星はよばひぼし、又字音にて、りうせいと雲ふ、夜間空中に光お放ちて奔り、白き余光あり、五星以下の諸星変異ある時は、天文博士之お密奏す、又彗星、流星等の如きは、時に大赦お為し、祈禊等お行ふ事あり、星に関する事は、尚ほ方技部天文道、陰陽道等の諸篇お参看すべし、