[p.0089]
倭訓栞
前編二十八保
ほし 星おいふ、火石なるべし、神代紀に、天( の)安河( に)所在(ある)五百箇(いほつ)磐石(いはむら)と見えたるは、天河の星象おいへり、神功紀に、河石昇為星と見えしは、無事の譬へながら、石と星との子細見つべし、史記註に、星石也ともいへり、占星台、天武紀に見ゆ、舶来の品に五星儀あり、又星おはかる器に、ぐわとろわんといふあり、星に形お造る事は、道家仏家の意なり、近き比、紅毛人も図あり、竿のさきで星うつといふ喩は、無門関に押棒打月と見えたり、