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八雲御抄
三上天象
雲 しら やへ やくも〈いづも〉 むら うす うき かさ あま〈天清輔抄〉 あた よこ〈暁山にたつ〉 あさ雲 とよはた〈万〉 あお〈万〉 にぬ〈万、冬の山にあり、〉 あまひく あまのしら 雨はれの むらさきの さわたる あさたつ ゆふいる あさいる ゆきけの いざよふ よこぎる くものなみといふは、にたるなり、万にみそら行くもヽつかひと人はいへど、とよめり、 白雲のいほへなどは、五百重なり、 やへ雲はものヽかずのきはまりにて、重たるお雲、一切の物、かならず八重なけれども、かさなるものおば、山、かすみ、さくら、菊などおもよめり、 夕にたつと雲雲名也 本文に朝にたちて、夕にいるといへり、たヾしあさいる雲とも雲、 とよはた雲は、大なるはたに似て、あかき夕の雲なり、 くものはたて〈同物也、月明相也、〉 あまとぶ雲 やくもさすいづものこら