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八雲御抄
三上天象
霧 あさ 夕 うす 秋 あま 川 山 あまつ 万に夜霧とよめり ほのゆける〈霞の名也◯一本不記細註〉 万にゆふべにたちて、あしたにうすと読り、 後撰に秋ぎりのあたると雲 あまのさぎり〈天きり日本紀〉 万にはる山の霧にまどへるうぐひすと雲、詩にも作也、万あしのはにゆふぎりたちて、 万にたなびくとよめり、霧は病名也、仍得心詠べし、 又なげきの霧ともいへり いさらなみ〈是は霧名也〉 夏霧〈在万葉〉 秋ぎりにぬるとは、秋ぎりにぬれし衣おほさずしてと、古歌にあり、