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祝詞考

伊穂理は、その山の気騰(いきのぼり)と雲言お略たるにて、即雲霧の事也、常に烟にいぶりといひ、物のいきぼりあがるといふも、皆気のおこり立事にて同じ古言也、さてこのほは、もと濁音なるお、後世は乎利(おり)の如く唱ふるは音便也、ほの濁りお乎(お)といふ類有ことぞ、また五百霧きりお略きて、伊穂理(いほり)といふにも有べく、何れにも理り聞ゆ、