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八雲御抄
三上天象
露 朝 ゆふ しら うは した はのぼる〈地よりあがるなり〉 万には、ゆふべにおきて、つとめてきゆとよめり、後撰に、野べの秋はぎみがく月夜とよめるは露の心なり、 つゆのかごとは、かこつといふこヽろ也、 つゆけきはしげきなり しげきたまともいふ 後撰に、おきつめはと雲り、 露霜ふりなづむといへり、万歌也、 涙によするなり 春もよめど、夏秋の物なり、