夫木和歌抄
十四秋霜
六百番歌合秋霜〈◯中略〉 中宮権大夫家房卿
秋の野のちぐさの色もかれあへぬにつゆおきこむるよはのはつ霜 寂蓮法師
思ふより又もあはれはかさねけり露にしもおく庭のよもぎふ 此歌、左方申雲、つゆにしもおく如何、右陳雲、つゆしもといふは、つゆに霜のおきくするなり、又難雲、露霜は露と霜とのともにおくにこそ、露の上に霜おかむこと如何、判者俊成卿雲、霜は露の結にこそ侍めれと雲々、
秋の野のちぐさの色もかれあへぬにつゆおきこむるよはのはつ霜 寂蓮法師
思ふより又もあはれはかさねけり露にしもおく庭のよもぎふ 此歌、左方申雲、つゆにしもおく如何、右陳雲、つゆしもといふは、つゆに霜のおきくするなり、又難雲、露霜は露と霜とのともにおくにこそ、露の上に霜おかむこと如何、判者俊成卿雲、霜は露の結にこそ侍めれと雲々、