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袖中抄

ひぢかさ雨 いもがかど行すぎがてにひぢかさの雨もふらなんあまかくれせん
顕昭雲、此歌にひぢかさ雨といへるはひが事也、これは万葉集の歌なり、彼集にはひさかた雨といへり、考、万葉集第十一雲、
 いもがかどゆき過かねつひさかたの雨もふらぬかそおよしにせん〈◯中略〉
六帖曰、いもがかど行すぎかねつひぢかさのあめもふらなんあまかくれせん
此歌は万葉の歌おやはらげたる歌也、第三句のひさかたお、ひぢかさと書たる也、ひぢかさ雨と雲物不可有也、