[p.0194]
枕草子
十一
雨は心もとなき物と思ひしみたればにや、かた時ふるもいとにくヽぞある、やんごとなき事、おもしろかるべき事、たふとくめでたかるべき事も、雨だにふればいふかひなく口おしきに、何か其ぬれてかこちたらんがめでたからん、げにかたのヽ少将もどきたる、おちくぼの少将などはおかし、それもよべおとヽひの夜も有しかばこそおかしけれ、足あらひたるぞにくくきたなかりけん、さらでは何か、