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三養雑記

雨の長短お知る歌 雨のながみじかお知る歌に
 子はながし丑は一日寅は半卯は一時とかねてしるべし、この順に十二時ながら数ふればしるヽなり、この歌のしらべよろしからずとて、後水尾上皇の御製に、よみ直させたまひしといひ伝ふるに、
 曇りなば雨とさだめよふりふらずちら〳〵ちらと天気なりけり、曇りなば〈長雨おいふ、子辰申、〉ふりふらず〈日お経ざる雨なり、丑巳酉、〉ちら〳〵〈半日ほど、寅午戌、〉天気〈天気はるヽなり、卯未亥、〉とくるなり、あるひは雲、風お占にもよくあたれりといへり、