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八雲御抄
三上天象
雪 みゆき〈行幸御幸おも〉 はつ あは〈冬のはじめつかた、春の雪也、但万八に、十二月にあはゆきふるといへり、何も不可違、又小松原同也、〉 しら 友待 はたれ〈うすきなり〉 かたひら おほ くつ けのこりの 色きえず〈万〉 しづり〈木雪落也〉 万に、そらより雪ながれくる、〈梅事也〉 雪けはまことの雪気おいふ、又たヾ雪のふるおもいふ、 万、雪消とかけり、 万十七に、光といへり、 あはゆきなどおば、しき〳〵とよめる也、 万三に、雪のくだけといへり、ほどろ〳〵ふる うちきらし たなぎりあふ あまぎり いほへふる〈五百重也〉 つぎて〈継也〉 いやしきふる とよくにのゆふ山ゆきといへり〈雪也〉 ふじの雪は六月のもちにきえて、其よふると在歌、 雪おほどろ〳〵にふりしけばといふ也 辺々雲故人説也 かヽれる雪 後撰に二首也 ふヾきは雪おふくなり ひかる〈万〉