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枕草子

村上の御時、雪のいとたかう降たりけるお、やうきにもらせ給ひて、梅の花おさして月いとあかきに、是に歌よめ、いかヾいふべきと、兵衛の蔵人に給はせたりければ、雪月花の時とそうしたりけるこそ、いみじうめでさせ給ひけれ、歌などよまんにはよのつね也、かうおりにあひたる事なん、いひがたきとこそおほせられけれ、