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栄花物語
三十六根合
うちは京極殿よりかたふたがりければ、宮のつかさに、しはす〈◯寛徳二年〉にわたらせ給に、雪のふりたるつとめて、一品の宮の女房、南殿などお出てみれば、雪はまことに花とまがひ、池のこほりはかヾみとみゆ、いはほにもはなさきいみじうおかし、御堂のかたおみれば、からえのこヽちしてみわたさる、庭のゆきはきえがたになりにけり、こずえぞさかりとみゆる、