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北越雪譜
初編上
雪吹(ふぶき) 雪吹は樹などに積りたる雪の、風に散乱するおいふ、其状優美ものゆえ、花のちるお是に比して、花雪吹といひて、古歌にもあまた見えたり、是東南寸雪の国の事也、北方丈雪の国、我が越後の雪深ところの雪吹は、雪中の暴風、雪お巻騰飆也、雪中第一の難義、これがために死する人年々也、