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倭訓栞
中編一阿
あなぢ 西北風おいふ、西土にいふ不周風也、ちは風の訓、こちまぢのちに同じといふめり、一説に、此風吹ば雨なし、水気までお吹払ふおもて、あなしともいふといへるはいかヾ、畿内及中国の船人の詞に、西北の風お、あおぜといふは、あなじの転語也、