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古今著聞集
十一画図
鳥羽僧正は、近き世にはならびなき絵書也、法勝寺金堂の扉の絵書たる人也、いつの程の事にか、供米の不法の事有ける時、絵にかヽれける、辻風(○○)の吹たるに、米の俵おおほく吹上たるが、塵灰のごとくに空にあがるお、大童子法師原はしりより、取とヾめんとしたるお、さまざまにおもしろう筆おふるひてかヽれけるお、〈◯下略〉