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倭訓栞
前編二阿
あらし 嵐およむは、しはちと韻通ず、暴風あらの義、山城のあらし山、越前のあらち山、もとは同語なるべしといへり、万葉集に下風おあらしとよめるは、おろしと義同じ、孫愐雲、嵐山下出風也、よて山下ともかけり、また荒風冬風なども書たり、漂おもよめり、玉篇に大風也と注せる意也、うつぼ物語にあらしの風とも見えたり、