[p.0266]
東雅
一天文
風かぜ〈◯中略〉 疾風おはやちといふは、疾速の義なりしかば、旧事紀に速漂疾風等の字お用ひて、はやちとは読れし也、〈今俗にはやてといふは、其語の転ぜしなり、◯中略〉 倭名抄には、〈◯中略〉暴風の字おしるし、漢語抄お引て、はやち又のわきのかぜと註せり、のわきといふは、にはかの転にて、即暴の義なり、後俗野分の字お用ひしは、暴風の山より下るおば、やまおろしといひ、野お分るおばのわきといふに似たり、