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枕草子

きよげなるおのこの、すぐろくお日ひとひうちて、猶あかぬにや、みじかきとうだいに火おあかくかゝげて、かたきのさいおこひせめて、とみにもいれねば、どうおばんのうへにたててまつ、かりぎぬのくびのかほにかゝれば、かた手しておしいれて、いとこはからぬえぼうしおふりやりて、さはいみじうのろふとも、うちはづしてんやと、心もとなげにうちまもりたるこそほこりかに見ゆれ、