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蜻蛉日記
上之下
ことし〈○康保三年〉は、せちきこしめすべしとて、いみじうさわぐ、いかで見むとおもふに、ところぞなき、みむとおもはゞとあるおきゝはさめて、すぐろくうたんといへば、よかなり、ものみつぐのひにとて、女うちぬ、よろこびてまかるべきさまのことゞもしつ、