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徒然草文段抄

だうたん 寿雲、大鏡、師輔公の伝に、だうたせ給ふとありて、重六の沙汰あれば、双六の事なり、壒囊抄にも攤の事有、双六博奕のやうにのせたり、攤の字恐らくは攤の字なるべし、攤の字、韻会他干切、手布也、用也、按也雲々、博奕の心なし、攤の字音坍(たん)、攤〓賭銭、壒囊に攤の字書は誤歟、たんの音おたといふは、大鏡の仮名お拠とす、野雲、攤(たん)、鮑宏博経、意銭者、何承天纂文雲、詭億、一曰射意、一曰射数、即攤銭也、季吟雲、野槌の説お見れば、攤の字も博奕の事に用ひて不苦にや、