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源氏物語
三/空蝉
なぞかうあつきに、このかうしはおろされたるととへば、ひるより西の御かたのわたらせ給て、碁うたせたまふといふ、〈○中略〉ごうちはてゝ、けちさすわたり、こゝうとげにみえて、きは〳〵しうさうどけは、おくのひとは、いとしづかにのどめて、まち給へや、そこはぢにこそあらめ、このわたりのこうおこそなどいへど、いで此たびはまけにけり、すみのところ〴〵、いでいでと、およびおかゞめて、とお、はた、みそ、よそなどかぞふるさま、いよのゆげたもたど〳〵しかるまじう見ゆ、