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新撰碁経大全
当流碁経大全序
囲碁は其来る事ひさしく、古賢これお玩ぶ者おほし、本朝本家深く秘して其図おいだす事おゆるさず、世に囲碁の書多しといへども取にたらず、一日門人来て懇に其図お求む、予辞するお得ず、策元直伝お以て此書おあらはす、妙術至極に於ては、口授に非ざれば喩べからず、その器によりて更に相伝ふべし、此図本家の直伝なれば、猥に他見有べからざるもの也、
時享保五庚子載二月日 秋山仙朴 正広〈花押○中略〉
右者〈○図略〉八所之角より外に打手無之と可知、是本因坊道策家伝也、今道策流お学者予より外に無之、為後之書置者なり、