[p.0123]
増鏡
五/内野の雪
みかど、〈○後深草〉ましておさなくおはしませば、はかなき御あそびわざよりほかいとなみなし、摂政殿〈○藤原実経〉さへわかくものし給へば、よるひるさぶらひたまひて、女房のなかにまじりつゝ、らんご、貝おほひ、てまり、へんつきなどやうの事どもお、おもひ〳〵にしつゝ日おくらし給へば、さぶらふ人々も、うちとけにくゝこゝろづかひすめり、