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将棊は、しやうぎといひ、或は象戯、将騎等に作る、小将棊、中将棊、大将棊、大々将棊、摩訶大々将棊、泰将棊、広将棊、七国将棊等の種類あれども、其法多くは亡びて伝はらず、唯小将棊のみ今も行はれて、単に将棊と称す、此将棊は我国にて創むる所にして、外国の象戯と異なり、又将棊の類には、此他に智恵将棊、挟将棊、飛将棊、廻り将棊、盗み将棊、弾き将棊等の数戯あり、
将棊は巧拙に由りて段位あり、九段お最上とし、之お名人と称す、以下半名人、上手、上手間手合、上手並、強片馬、並片馬等の名目あり、徳川幕府に於ては、将棊所数人お置きて、世々之に俸禄お給せり