[p.0139][p.0140]
大象棋絹篩
摩訶大々象棋 縦横〈各十九目〉 馬数百九十有二枚
盤面碁盤のごとし、此象棋中にも、仏経より出たる駒の名多し、仏家の作なるべし、
立馬略容
玉酔獅犬奔王歩 提虎騏力摩羯歩 金豹惡羅竜王歩 銀蛇飛寵竜馬歩
銅将盲熊角歩仲 鉄鶏猛牛竪行歩 瓦将嗔猪横飛歩 石猫桂馬横行歩
土将老鼠左車歩 香反驢馬飛車歩 歩兵左右不替者 走馬与利立于端
釣行竜竜角竪行 横飛横行右飛車 金夜飛竜牛桂驢 鳳惡盲熊嗔老鼠
虎豹臥竜猿猫反 無明金銀銅鉄将 瓦将石将土将香 両方相違対揚馬
提婆無明与王副 麒麟鳳皇獅子脇 金剛力士犬左右 釣行摩羯竜王内
羅刹夜叉竜王下 臥竜蟠蛇銀将上 古猿淮雞鉄将上 左右両車飛車内
右立馬略容は、盤面駒立の式お教たるものなり、玉酔獅犬奔王歩とは、十九目の中央王座より馬の並びおいへるにて、酔は酔象なり、獅は獅子なり、犬は狛犬なり、奔王はすなはち奔王、歩は歩兵なり、寔より下香反驢馬飛車歩といふにいたりて、王座より下半面の駒だてなり、釣行竜竜角堅行は、王座の上、奔王の右にある釣行なり、竜々は竜王竜馬なり、角竪行は角行竪行なり、其次は横飛横行右飛車なり、是より瓦将石将土将香といふに至り、王座より上半面の馬立終る、尚図お見てさとるべし、
○按ずるに、本書此次に摩訶大々象棋図式、摩訶大々象棋馬行方の図お載せたり、今之お省略す、