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蜻蛉日記
下之中
二月十五日に、院のこゆみはじまりて、いでぬなどのゝしる、まへしりへわきてさうぞげば、そのこと大夫により、とかうものす、その日になりて、かんだちめあまたことしやむごとなかりけり、こゆみおもひあなづりて、ねんぜざりけるお、いかならむとおもひたれば、さいそにはいでてもろやしつ、つぎ〳〵あまたのかず、このやになんさしてかちぬるなどのゝしる、さて、又二三日すぎて、大夫のちのもろや、はかなしかりしかなゝどあれば、ましてわれも、〈○下略〉