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栄花物語
三十一/殿上の花見
一品宮〈○後一条皇女章子内親王〉はあけくれめかれずかしづき奉らせ給ひて、御対面などあるべしとあれど、一品にならせ給ぬるはかたじけなし、御みづらなどゆはせ給ふて、のぼらせたまはんとてとゞまりぬ、なべてならずいみじくもてかしづき聞えさせ給、殿上人朝夕にまいりまかで、まりけ、小弓いなど、おかしく循びあへり、