[p.0177]
古今著聞集
九/弓箭
長暦二年三月十七日、殿上人十余人野の宮へ参りたりけるに、御殿の東庭に畳お敷て小弓の会有けり、又蹴鞠も有けり、夕に及て膳おすゝめられける間、簾中より管絃の御調度お出されたりければ、則糸竹雑芸の興も有けり、又和歌も有けるとかや、むかしはかく期せざる事もやさしく面白事常の事なりけり、いみじかりける世なり、