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金葉和歌集
九/雑
公実卿のもとにまかりたりけるに、侍らざりければ、出居におきたりける小弓おとりて、さぶらひにこれはおろしつとふれていでにけり、かの卿帰りて弓おたづねければ、時房まうできてとりつと申ければ、おどろきて院の御弓ぞ、とくかへせといひにつかはしたりければ、御弓につけてつかはしける歌、 藤原時房
あづさ弓さこそはそりの高からめはるほどもなくかへるべしやは