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日本歳時記
一/正月
年の始に童子の破魔弓とて射るは、治れる世にも武お忘れざる意なるべし、但むかしは射礼とて、正月に内裏にて弓射る事のありしなり、孝徳天皇の御宇に、大内にて正月に弓おいさしむといふ事、古き文にも見えたり、かゝる事お下にうけて、いにしへは年のはじめに、年長ぜる人も弓お射たりしにや、文献通考日本の部にも、毎至正月一日必射戯すと記せり、