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投壺は、これおつぼうち、又つぼなげと雲ひ、又音読して、とうこともいふ、矢お以て壺に投じ、以て勝敗お決するものなり、投壺は原と支那の古礼器にして、礼節最も備りしが、後に変じて俳劇の具となる、我国に於ては上古より之お伝へしが、一旦久しく中絶し、徳川氏の時に、民間に於て之お再興し、以て文雅の遊戯に供せしと雖も、終に盛に行はるヽに至らず、