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半日閑話

一うんすんかるた打方
〈第一〉一うん 五枚 布袋 福禄寿 大黒 恵び寿 達磨
〈第二〉一すん 五枚 唐人の黒冠するもの皆すん也
〈第三〉一そした 五枚 異国人のごときもの〈二枚不足〉〈第四〉一ろはい 五枚 飛竜のごときもの〈虫と雲ものか、壱枚不足、〉
〈第五〉一こし 五枚 武者のごときもの腰おかけし体〈きりと雲もの、壱枚不足、〉
〈第六〉一馬 六枚 共に馬に乗る体也
〈第七〉一花 九枚 棒の先に花の付し体也〈ろばいに花の付候お貴、是より打出す也、一枚不足、〉
一ぐる 九枚 大鼓の模様付也〈くるのうん太鼓に達磨、余是に准ず、〉
一おふる 九枚 井 如此者おふるのうんは恵比寿也、前同断、
一こつぷ 九枚 宝包みの如きもの也、こつぷのうんは布袋也、
一剣 九枚 利剣のもやふ也、剣のうん福禄寿、
都て丸きものは数すくなきおよしとす、長きものは員多きおよしとす、総数七十五枚、〈内四枚不足〉
打方は先札お合せ、きり交て、三人にて打ば、総札の内より一枚取て是お中へ置、跡お三人五枚づゝ順にくばり、末に成一枚か二枚余りたるおば、別にのせ置、是は捨にして用ひず、扠初に一枚取ておきし札、たとへばくるの六なれば、則三人の者何もくるに付し札お人に見せず取よけ置、是其番のきしものといひて、猶大事にすべきもの也、これは総てうんすんの順によりて、うんにくるの付しかば、第一番のよきものにする故に、くるおとりのけしまひ、それよりうちかゝれり、第四番のろばいに花の付しお持し人より打始る也、打初ると雲は、ろばいに花の付候札おもたの人、先何にても手に有軽き札お両人とも出す也、さて二人出候札、たとへば花の三お一人出し、一人は剣の三お出すときは、かのろばいに花の付候札ある者の手より長きは、数多きおよしとすれば、剣の五おうちて手前へ取、其五の札お上に置て、膝の前に置也、夫より右にすわりし次の人、又うつ也、其うち方はみな同じ、何れにても長きものは数多きにて取、丸きものは数少きにて取也、夫より段々札少くなれば、かの初にのけ置しくるのつきたるお出して打也、是はくるとうには勝まけなれども、外の札はつゞくものなし、其打さすと雲事あり、さすとは一人人物鳥か虫の類お以てふせ置、其次の人たゞの札お出すはすてといひて、初手より捨てしまふ也、剣の札抔にては有とても取事ならず、今一人は手にある処のうんより馬までの絵の付たるお以てさす也、向ふの人、第六番めの馬おさせば、此方にて其より上の五ばんめのこしおさして取也、其順にてうんおさせば、是に紛もなし、かやうにしてみな取じまひ、壱はん多く札おとりしもの勝となる也、其札の取方さし方に、大に上手下手ある事也、亦最初一枚取、おくれ、もしうんより馬までの札なれば、あまりよき物ゆへ益なき事なれば、又かはより五枚づゝも取て切直し、其中より一枚おく事も有、又棒の五、丸の五、丸の四、棒六にて取也、又棒の九、丸の四きき取所也、
又古き書付添一枚有之、すんうんそうたきり馬虫、右の外はぼうはあれども、数多き方へとり申候、丸きものは数少き所方へ取申候、残りおおきと申候、おきに御座候むしお持候者より打出し申候お、おきはたがひにふせ候てさし申候、おきおたがひにさし候ても、人の付候かたへ取申候人にても、おきにて御座なく候へば、丸きものにてもぼうにても、其時々のおきの方へ取申候、何れにても絵のつき次第、たがひにさしにてせうぶいたし候、