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甲子夜話
十九
一世に名高き人は、才も優れたる所有る者なり、〈○中略〉狩野栄川院、〈典信〉一侯家にて席画の折から、百人一首歌加留多の、白木箱に納れしお持出て、箱に何なりとも一筆と所望ありければ、乃ゆりの花お著色に絵がきしとなり、百合と雲にて思寄しは、はたらきたることなり、〈林話〉